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第10章 過去の傷2nd Ⅱ

小さい頃、あたしは

満面の星ってものはおとぎばなしの中の作り物しかないって思い込んでいた。

ホタルっておしりがぴかぴか光る虫もおとぎばなしの中だけの誰かが作り上げたモノだって思い込んでいた。

中学に入って理科の授業で満面の星もホタルも
見えるところに行けば見えると知った時に夢が広がった。

中学２年生の時に行った長野の修学旅行で初めて空を見上げて口が閉じなかった



なんて綺麗な星空なんだろう。

同じ空だよね？繋がってるんだよね？

なのにどうして東京では見えないものが
ここでは見えるんだろう？


みんなが寒いとホテルに戻ってもあたしは
自由時間ギリギリまで首が痛くなるほど夜空を見上げつづけた。

あの時の空と感動は今でも覚えている。

というよりは、きっと忘れる事が出来ないくらいの衝撃だった。