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今日私は自分の子供を殺しました
第10章 過去の傷2nd Ⅱ
しばらく嫌な沈黙が続いた。
思い返せば、ハルナくんからの連絡はいつもホストとは思えない普通のメールだった。
店に来いとは一度も言われなかったし
連絡しない日は必ず心配メールがきていた。
出なくても返さなくても何度も何度も
ハルナくんは連絡をくれた
だけど今はそれさえも逆に営業なんじゃないかって思ってしまう。
なんでこんなに疑わないといけないんだろう。
好き嫌いの判断なんて簡単なはずなのに相手がホストってだけで比べものにならないくらいわからなくなる
女からしたら命懸けだ
騙されたら落ちるしかないのだから。
『もういいよ。あたしは今まで通りユリともレイともハルナくんとも仲良くしたい。アオイとも別れない。今日このBirthdayが終わったらハルナくんに会いに行く。それで自分で言う。あたしは本営じゃないって、アオイがすきだからって、それで普通にこれからも細客として仲良くしてほしいって、ちゃんと言う』
「わかったよ。俺も今日のふたりを見て、ハルナにチャンスがあるとは思えないし。」
この話のせいでBirthdayはもう残り5分になっていた
調度アオイが店の真ん中にイスを置いて、
カラオケをいれた。
マイク越しにアオイの声が店内に響き渡った。
「…今日は俺のBirthdayに来てくれて本当にありがとうございました。」
タイミングよく歌が始まった。