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今日私は自分の子供を殺しました
第10章 過去の傷2nd Ⅱ
座り込み地面に突っ伏して人目も気にせず泣いた
「リオ…帰ろう?」
ユリが優しく背中をさすってくれた。
今日ユリが一緒に居てくれなかったらあたしは
どうしていただろうか…
「…!!リオ、アオイ起きた!こっちに来てるよ。ほらアオイ来たよ」
ジャリッジャリッと足音が近づいて来るのが聞こえた。
「…なにしてるの?」
アオイの第一声はこれだった。
ごめん、でもなく心配した言葉でもなく、
「…リオ酔ってんの?」
壊れかけたなにかにとどめをさされた気がした。
なにその言い方。
アオイはだるそうにため息まじりにそれを言った
酔ってんのはてめぇだろ
「妊娠すると情緒不安定になるから…アオイが話し合いの約束してたのに寝てたからショックだったんだよ。てか女なら誰でもショックでしょ。赤ちゃん出来たって報告して始めて顔合わせるのに約束忘れて寝てるなんてさ」
ユリの口調は強かった
その間のずっと背中をさすってくれていた。
「…客に飲まされたんだよ。仕方ないじゃん仕事なんだから…速く終わって寝て待ってようとしたらこんな時間だっただけだし。…リオ行こう」
アオイはそれもだるそうに言った。
あたしは完全にアオイ拒否反応が出ていた
気持ち悪、震える、涙が止まらない。
『…帰る』
「は?…なんで」
『帰る!!話したくない』
涙まじりの大声が響いた
「今日はリオ無理そうだからうちが責任持って送ってくから…」
すると遠ざかる足音とドアの閉まる音
そして聞き覚えのある車の音が遠ざかっていった
突っ伏した地面を見ながらでもわかる。
アオイはなにも言わずにその場を去っていった。
「リオ、アオイもう行ったから帰ろう?立てる?」
ユリに支えてもらってようやく立ち上がりふらふらと歩きだした。
涙は止まらなかった。