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今日私は自分の子供を殺しました
第10章 過去の傷2nd Ⅱ
「リオ…顔真っ青だよ?やっぱり休んでたほうが」
『大丈夫…』
あと1時間…あと1時間でアオイが迎えに来る。
こわい
また迎えに来なかったら?連絡がとれなかったら?
そればかり考えていた
だけど今日はアオイはちゃんと来てくれた。
「本当にあんたに預けて大丈夫?」
ユリはアオイに冷たく言い放った。
ユリと初めて会った時みたいに拍子抜けして
今回は怖じけづいていた。
「大丈夫…昨日はごめん」
それを聞くと、ユリは「気をつけてね」と助手席のドアを開けて見送ってくれた。
アオイとふたりきりになり、社内は無言でいつもの洋楽が流れるだけだった
「リオ…ちょっといいかな」
着いた場所は海だった
ふたりで洋服のまま入り、夏を好きにさせてくれると約束したあの海。
塀に座り、水平線を眺めた。アオイの手があたしの手にかぶさった。
「昨日は…本当にごめん。」