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夜は、毎晩やってくる。
第1章 プレイ・フォー・ペイ
どうしたの、これ?
なに?
キスするって思っただけで、人間ってこんな風になっちゃうの?
ドラマなんかで見たキスシーンが走馬灯のようにぐるぐると頭の中を駆け巡る。
あの人たちはみんなこんな感じだったのかな。
女の人も、男の人も……。
ごくり、と生唾を呑んで、それが鈴木山くんに気づかれなかったかと心配する。
鈴木山くんも……今、フワフワしてる?
ドキドキしてる?
あたし、凄い、今……心臓。
「渡辺……立って」
「あ……うん」
鈴木山くんが立ち上がり、あたしも……
あ、立てない。
腰砕けになってしまって、ちゃんと足が動かない。力が入らない。
「あ……の……」
そう言って見上げた所に鈴木山くんの顔があった。
「……んっっ!」
次の瞬間、もう私の唇は濡れた、温かな肉の感触に接着していた。
ああ……凄い……知らなかった……こんな風なんだ。
もっと、もっと、さきまでのボウッとしたような感覚が頭の中に広がっていく。
痺れ。甘い息苦しさ。
滑るような心地良い感触。
「ん……んっ……ふ、うっ……ンッ……」