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夜は、毎晩やってくる。
第6章 三者面談
三者面談の会場となっている教室に、机を挟んで合い向かいに二人きり。
順番待ちの生徒や保護者は廊下。邪魔者はいない。
密室なのよ。押し倒すなら今なのよ? どーしてしないの?
「……真琴」
京介が、深いため息を吐いて私の下の名前を呼ぶ。
「とにかく、今日は三者面談なんだ。親に知らせてないなら、日を改めるしかないな。終わり、終わり。次の人を呼んでくれ……」
と、進路調査票を手に取って、無造作に折りたたむ。
えー、それってヒドくない?
気持ちが伝わるように毛筆で書いてきたのに!
二つ折りとかありえない。ピンサラのまま部屋の壁に貼っておいて頂戴よ!
私、先生のこと大好きだけど、そういうことされると、ちょっと意地悪な気分になっちゃうな。
「先生、じゃあ三者面談しましょうよ! それならまだ終わりじゃなくていいでしょ?」
「ん? 今から親を呼び出すのか?」
「いいえ」
「じゃあ、やっぱり終了……」
「じゃなくて、すぐに呼び出せる人に来てもらえばいいじゃないですか」
「は? 何言ってんだ?」
「ほら、その……先生の息子さんとか、お袋さんとか」
うわあ、恥ずかしい。
年頃の女の子に何言わせるのよ、京介ったら!(←言わせてない)