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夜は、毎晩やってくる。
第1章 プレイ・フォー・ペイ

 そして、すぐにまたあたしの口は塞がれた。
 今度はもう少し激しく、食べるようにあたしの口が貪られる。

 そして私もそれに応えて……。
 だって、お客さんなんだもの、もてなしてあげないと……。

 だからだよ。
 こんな風にするのは、だからなんだから。

 ちゅぱ……ちゅ……くちゅ……

 ぴちゅ……

 しばらくあたしたちの間にはそんな濡れた音しかなかった。

「ホラそこっ! 見るなっ! 見るなら千円っ!」

 詩利香が大きな声を出した。

 ぷはっ……と、口を離して見ると、鈴木山くんの友達二人があたしのことを見ていた。

 彼らは違うクラスの子たちで、あたしは名前を知らない。
 多分、バンド繋がりの友達なんだと思う。

「減るモンじゃねーし、見るだけでカネとるこたねーだろー?」

「そーだぜ。だったら俺たちの居ないとこでやれよ、ビッチ!」

「なんですって!」

 詩利香がいきり立つ。

「まあまあ、お前ら。お前らも買えよ……もうファーストキスじゃねーんだし、二人で五千円にしてやれよ、それぐいだったら俺がおごってやるぜ?」

「えっ?」

 とりなした鈴木山くんの提案にあたしは驚いた。
 それは二人の男の子たちも同じだった。

「マジで言ってんのか?」

「ゴチになります!」

 喜色満面でガタガタと席を離れてこっちに来る。

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