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夜は、毎晩やってくる。
第10章 ダンサー・イン・ザ・ダークライト
※ ※ ※
慶子が陣内にエスコートされて去ったあと、私は残された三人にダンスを見せるように言った。
デビュー曲になる予定の激しいダンスナンバーを大音響で流して躍らせる。
そして理解した。
なるほど、慶子の言う通り。これでは駄目だ。
リズム感はある。ステップも、ひとつひとつのムーブのキレも悪くない。
最近は主流ではないが、アクロバットもこなせそうな運動神経の持ち主の子たちだ。
でも、それだけ。
これではストリートで練習している学生のダンスサークルと変わらない。
「……踊っているだけね。何も表現できていないわ」
パンパンと手を叩いてアシスタントのミズキに曲を止めさせ、三人に向かって言い放つ。
「腰をくねらせればセクシーっていうのなら、誰だってアイドルをやれるわよ」