この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
夜は、毎晩やってくる。
第1章 プレイ・フォー・ペイ
「なんでお前がそんなモノ持ってんだよ!」
「っつーか、どうしてアンタは持ってないのか聞きたいね! 今どき高校生なんだから、ゴムの一枚や二枚、常備してなっての!」
そうなんだ……!
あたし、コンドームなんて見たこともなかった。
「いや、それオカシーだろ!」
鈴木山くんがすかさず反論する。
そうなの? どっちなの?
「とにかく、避妊しないオトコとかサイテー。お金は返すからゴムしないならそこで終わりね」
「わかったよ、寄越せよ……」
「って、タダであげるわけないでしょ!」
「クソッ! そういうことかよ! いくらだよ!」
「二万円!」
「高っ!」
男の子たちがハモった。
コンドームってそんなにするんだ……。
あたしのお小遣いじゃ買えない……
「ボッタクすぎだろ!」
ああ、またしてもあたしだけが真に受けてたみたい。
「缶ジュースだってね、山の上じゃ高くなるんですぅ」
わー、凄い意地悪……
詩利香の意外な一面を見た気がする。
「わかったよ! 払う、払うから渡せっ!」
「おカネが先」
「くそっ……!」