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夜は、毎晩やってくる。
第2章 えすかれ
嬉しい誕生日プレゼントなのだから、デートで着て見せてあげたいというのは雛子も思わないではなかったけれど、なにしろお尻が隠れきらないのではないかというぐらいの丈の短さで、外へ出るのには勇気が要る服だ。
それでも、稜也に言われたのだからと、一大決心で着て来たのに……こんなことをさせられるなんて。
それに、こんな所で脱いだら……下の人に見られちゃうよ? 絶対。
稜也はあたしが見られてもいいの?
この手の命令をされる度にそう思う。
「大丈夫だよ、すぐ後ろに俺が居るんだから……ガードする」
不安そうに振り返った雛子の気持ちを読んだかのように、稜也がニコリと微笑む。
その笑顔に雛子は弱い。
もっと稜也のその表情が見たい。
だから……いつも命令に従ってしまうのだ。
それがたとえどんなに恥ずかしい命令でも。
ヴーンというエスカレーターの軽い振動の中、ワンピースの腰あたりに手をかける。ショーツの布地のかすかな段差を指先で確かめる。
デートだったから、見せてもいい下着だったけれど……。
「う……ううっ……」
ためらいが小さな呻きとなって漏れる。
それでも、雛子の指はゆっくりと、ショーツを下へとずり降ろし始めた。