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夜は、毎晩やってくる。
第3章 姉に捧げる、愛の……

 僕らは生まれたときからいっしょだった。
 同じ顔、同じ服、同じ声、同じ心。

 ただ違うのは、僕が男で、姉さんが女だったこと。
 それだけだった。

 二人は成長した。
 そして僕らは、やはり男と女だった。

「姉さん……やっ……アッ! ぅっ……ああっ……!」

 呻き声が漏れる。
 優しく嬲られて、僕の屹立が姉さんの手の中で出来上がっていく。

 姉さんの手から放たれる目に見えない冷気に操られ、僕の中を熱流が流れてゆく。

「熱い……熱いよっ……姉さん」

「いいのよ、もっと熱くして」

 柔らかな体が僕の股間に顔を近づける。

「……私を閉じ込める氷を融かして」

 氷の彫像というものがあるならば、熱の彫像というものもあるのだろうか。
 あるとするならば、それは姉さんの口の中に包まれた僕のそれだ。

 ちゅぷ……

「あっ……あ、ああぁっぅ……」

 声にならない歓喜が僕の中を駆け巡る。
 嬉しいんだ、姉さん。
 僕は、ほら、こんなにも悦んでいるじゃないか。

 それが、それが愛だというの?
 僕にはそれがわからないんだ。

 愛はもっと……

 だって、姉さん。
 僕が愛しているのは姉さんなのだから。

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