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夜は、毎晩やってくる。
第3章 姉に捧げる、愛の……

「いいわよ! 出してっ……出しなさいっ! 私の中にっ……」

「ああ、ああぁぁぁああっ……ねっ、姉さんっ……!」

 ありったけの愛で押しとどめられていた、僕の熱の正体が暴かれるときが来る。

 屹立の頂点が姉さんを穿ち、男の中から女の中へと注がれる。

「ああっ……熱いのっ……来るっ……溶けるわッ! 融けてしまうっ!」

「姉さんっ……ああっ……ひとつに……っ」

 同じ個所で共振する二人。
 互いに固く抱き合って、腕と腕とでぎゅっと緊縛する。

 姉に注ぎ込みながら、弟に注がれながら僕らは背徳の泉のほとりを彷徨った。

 夫の弟であるペレアスに恋したメリザンドのように。
 メリザンドに口づけながら、剣で刺し貫かれたペレアスのように。

 僕らはひとつ。

 快楽の涯に旅だった姉さんの綺麗な顔。
 同じ顔の僕。


 オーディエンスの喝采に手を挙げて応えながら、屹立をそのままにリンクを周回する僕。

 頬をそよぐ風はもう穏やかで、そこに姉さんはいない。
 熱気は払われ、やがて冷めてゆくのだろう。

 でも、僕は知っている。
 姉さんはすぐ傍に。

 リンクに映る僕の姿。

 氷に触れる僕のシューズのエッジは、氷の下にいる姉さんのエッジと鏡合わせとなる。

 感じていたかい、姉さん。
 今日も、姉さんに捧げるよ。

 僕といっしょに生まれ、生まれることのなかった姉さん。

 でも、僕は生きる。
 情熱を表現する。

 姉さんの分まで。

 生きる命を。

 愛しているよ、姉さん。
 でも、僕に愛がわからない。

 だって、僕にとって愛は悲しみでもあるのだから。
 あの悦びが愛だとは、思えなくて。








《姉に捧げる、愛の…… 了》


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