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夜は、毎晩やってくる。
第4章 キャッシュ・レジスター

 キリコちゃんは専門学校生で、学校が引けるとすぐに来てシフトに入る。私はお昼過ぎから夕方までだけど、彼女は夜までやっていく。

 キリコちゃんは、吉村くんみたいな男の子がタイプなのだ。

 まあ、背が高くて、ちょっとスポーツマンっぽい、けれどイカつすぎない体格、そして爽やかな短い頭髪をきちんと整髪料で整えて、服装も清潔感があってお洒落……というイケメンっぷりなのだから、彼のことがタイプじゃないという年頃の女の子はそういないと思うけれど。

「なーに、言ってるんすか! 俺が紗美菜さん一筋だって知ってるくせに……」

「何よ、若いのに年上の女をからかわないでって……」

 いつものやりとり。
 そして、吉村くんは私の耳元に口を寄せて囁く。

「歳なんていくつも離れてないじゃないですか。そうやって、お姉さんぶるところも……好きなんだよな」

「……」

 私は言い返さない。
 嬉しいけれど、顔に出したくない。恥ずかしい。
 たたでさえ……恥ずかしいというのに。
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