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夜は、毎晩やってくる。
第4章 キャッシュ・レジスター
商品をバーコードリーダーに通しながら読み上げるキリコちゃんの声。
できるだけ平静を装っている。でも、少しだけ震えている。
目を伏せて、できるだけ佐和田さんに表情が見えないようにしているけれど、そんな仕草すら楽しむかのようにして、佐和田さんはキリコちゃんの様子を見守っている。
「ね。紗美菜さん早く……他のお客が来ちゃうよ。俺はいいけど……」
吉村くんがそんなことを言う。
私の躊躇いはキリコちゃんのものとは理由の種類が違って、キリコちゃんへの遠慮からなのだけれど、耐えなくては……という決意はキリコちゃんと同じだった。
「あ……は、はい。ごめんなさい……それでは、失礼します。食パン2点……レギュラーコーヒー1点……ガム3点……うぅっ……プ、プレミアムアイス1点……」
レジを通し始めると、下着に取りつけられたローターが作動して私の声を上ずらせる。
このスーパーの男性客比率が……そしてリピート率が高いのは、VIPカードが使われた時にだけ送られる信号で起動するこの仕組みの……私たち女性従業員の肉体を責めることができるサービスのおかげだった。
ブラジャーの中、左右の乳首に当たるようにふたつ、そしてショーツの中のものは私の肉体の中で一番いやらしくて敏感な部分、クリトリスに密着して……
着替えの時の店長による身だしなみチェックで少しもズレがないように装着されている。