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夜は、毎晩やってくる。
第4章 キャッシュ・レジスター
疼きと陶酔でもうろうとしながら、買い物カゴの中に残る未会計の商品を見ると、幸いな事にもうそんなに残っていなかった。
大丈夫……なんとか、なんとか耐えれるわ……
あと少し……レトルトのカレーと、パスタ……あと、ペットボトルがひとつ……
「ううっ……くっ……カ、カレーレトルト……い、1点……」
と、私が特売のレトルトパウチを読み取りにかけようとした時、隣りのレジでキリコちゃんの大きな悲鳴が上がった。
「い、嫌っ……ああ、あっ……イッ……イクッ……イッちゃうっ……! エチケット用品1点……あああふぅ……だ、駄目……こ、これ以上……む、無理……アアッ! たっ……たくあん漬っ……に、2点……駄目っ……無理っ……い、板コンニャク……うううああああっ……いってぇぇぇんんんんっ……イッ……イクッ……イッちゃうっ……お、お会計まだなのに……イッちゃううぅぅぅぅぅうっ!」
ガクガクと腰を震えさせてカウンターにつっ伏すキリコちゃん。
「……ウヒヒヒ、やった、やった! 奮発した甲斐があったわい!」
佐和田さんは欣喜雀躍の態でキリコちゃんの腕を掴むと、買い物かごはそのままに、引き摺るようにしてお店の外へと連れ出す。
耐えなくてはいけない理由というのがこれだった。