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夜は、毎晩やってくる。
第5章 おねしょたホワイトDAY!
いや、お姉ちゃんとしては嬉しいよ、こう見えても女ですからね。そしてキミは男の子なのだから。
でも、マジってのは……微笑ましいという範疇を越えてしまう可能性があるではないか。
でも初めてのホワイトデーで、はりきって手作りとかちょっと重くないか。いや、姉と弟という関係は抜きにしてもだよ。
「開けてもいいよ!」
翔太が目を輝かせて私を見つめる。
うーん。この子の瞳、汚れを知らない純粋な輝きのままの子供の目のままなんだよなあ。見つめられるとちょっとテレくさい。
しかも、なんだこの包装は。
自分でやったのか。
えらくキレーな包み紙。水色の地の上でスケートシューズを履いたピンクの雪だるまがあっちこっちで滑っていて可愛らしい。これも自分で選んだのか。センスが良い……というか、赤いリボンまで掛けてあって、なかなか凝るタイプですね、キミ。
でも、なんだかけっこう薄っぺらい。
これ中身ホントに食べ物なのかなってぐらい薄い。
そう、渡されたときに一瞬わかんなかったのはそのせいでもある。
ペラッペラで、手紙か何かかと思ったのだ。
あー、でもそっか、もしかしてお手紙とかかな。
海外ではバレンタインはお世話になってる人や家族に贈り物をしたりメッセージカードを渡すって聞いたことあるもん。……ホワイトデーはどうか知らないけれど。
「薄いね、もしかして手紙?」
率直に尋ねてみる。
すると翔太はニンマリとして一層目を輝かせて私を見上げる。
「へへー。開けてのお楽しみ!」