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夜は、毎晩やってくる。
第5章 おねしょたホワイトDAY!

 ……んんん?
 私はよく見てみた。

 券はこれまた凝っていて、10枚ほどの連なりがいちいち千切ってとれるように丁寧にキリトリのミシン目が入っている。しかも超揃って穴が開けてある……クシかなにかでも使ったのだろうか。

 そして、一枚一枚の券も可愛らしくイラストつきで、これはスタンプみたいなのは使わずにそれぞれピンクのマジックペンで手描き。

 描いてある似顔絵は多分私のかな……。丁寧に顔の横にハートマークまで添えてあってウッハ、これには頭が下がります。

 そして、そこに書いてあったのは……

「しょたたたき券!?」

 なんじゃそりゃあ!

 聞いたことないよそんなの。しょたたたきって何だよ!
 いや、なんかゴロは合っているけれども!

 待ちきれなかったように、翔太が言う。

「僕のこと、叩いていい券だよ!」

 は?

「皆が言うもん、僕みたいな男の子ってショタって言うんだって! で、叩きたがるから……お姉ちゃんも叩きたいかなって」

「えっ……ちょっ……どういう事?」

 ツッコミ所が一度にいくつも出てきて、うろたえてしまう私。

「……翔太のこと、皆が叩くの? クラスで?」

 すわ、いじめ問題発生か。

「ううん。吹奏楽部の女の子たちー。可愛い可愛いっていいながらポンポンしてくるんだよー」

 ああー。なるほどね。
 こやつが吹奏楽部の女の子たちのアイドルなのは知っている。

 見た目超可愛いからな。
 小学生中学年ぐらいに見えるもの。そりゃ女の子はほっとかない。いじるよね。
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