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秘密の二段ベッド
第2章 師匠大活躍
焼きたてのトーストをもそもそ食べていると、お兄ちゃんが階段を降りてくる音がした。
ドキドキが速くなる。
果たして、ガチャリとドアを開けたお兄ちゃんは至って普通の顔で、わたしにも、お母さんにもお父さんにも、いつもと同じように「おはよー」と言った。

目が合って、ちょっと微笑むのもいつも通り。
向かいに座ってトーストに手を伸ばす。
「おはおはおはおはよー!」
決死の覚悟で挨拶する。皆の視線が集まる。
わたしの顔はきっと真っ赤だ。
次の瞬間皆が爆笑した。

「あははは! どうしたのあやね」
「びっくりした~。なんだ? 今のは」
お母さんもお父さんもなんの疑いもなく声をかけてくる。
なんだか目が見られない。

するとお兄ちゃんが手を伸ばしてわたしの頭をくしゃっと撫でた。
「まだ寝ぼけてるの?」
いつもと変わらない優しい瞳。
でも頭を撫でた手のひらになにか特別な思惑がある気がしてわたしはぶんぶん首を振った。

「なななななななんでもないっ」
なんだなんだ、へんな子だな~と皆にからかわれながらトーストをバクバク食べると準備をしに部屋に戻った。
下でお兄ちゃんとお父さんが家を出る音がすると、わたしはほっとして着替えをした。


その日も授業中は上の空。
昨日の出来事と朝のいつも通りのお兄ちゃんの顔が頭の中でぐるぐるして勉強が手に付かない。
アソコもむずむずしっぱなし。

いつの間にわたしこんなにえっちになっちゃたんだろう。
でもお兄ちゃんの態度を見てるとあんまりにも普通だからこんなに意識する自分が変なのかなって思っちゃう。
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