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秘密の二段ベッド
第2章 師匠大活躍
一日もんもんとしていると、放課後藤崎さんに声をかけられた。
「あ~や~ね~ちゃんっ。どう? その後は?」
「へっ!? なななななにが?」
どきっとして聞き返す。
「なにって~、本見てどうだった? ってこと!」
「あ、あぁ」
びっくりした。お兄ちゃんとの事を聞かれてるのかと思った。
藤崎さんが知るはずもないのに。

「最近ぼーっとしてるでしょ~。何考えてるの~」
耳元で藤崎さんが囁く。
息が耳にかかって「ひゃっ」と声が出る。
「あはは、ごめんごめん。あやねちゃん可愛いね~」
くったくのない様子でそんなことを言われるとどう反応していいか分らなくなる。

一緒に帰ろうと誘ってくれたので、連れだって教室を出た。
学校の校門を抜けるとなんだかほっとした。
やっぱり学校って勉強するところで、えっちな事を考える場所じゃないって感じだから、今の私には少し窮屈だ。

隣で藤崎さんが鼻歌を歌っている。軽やかに、今にもスキップでもし始めそう。
わたしはその軽やかな雰囲気に、今なら何でも聞ける気がして思い切って口を開いた。
「あの、藤崎さんは、その……えっちな本見て何するの?」
ええっ? と隣で声が上がる。

わたしはしまった、ととっさに顔を伏せた。
「ご、ごめんっ変なこと聞いて!」
と思わず謝ったわたしの声にかぶせて藤崎さんが言った。
「オナニーに決まってるじゃ~ん」
!!

わたしは藤崎さんの口をバッと押えて周りを見渡した。
ブホッ! と藤崎さんがわたしの手のひらの中で吹き出す。
「あはは、ちょっと、大丈夫だって」
押さえていた手を外しながらケラケラと笑っている。
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