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秘密の二段ベッド
第6章 二人の夜
それからは夢中で、お互いの唇を食むように何度も角度を変えたり吸い付いたりと、自然にキスを重ねた。初めてなのに、どうすれば気持ちいいか体が知っているみたいだった。

時々鳴るちゅ、ちゅ、という音や粘膜同士がぬるっと滑る感触に背中がゾクゾクする。
お兄ちゃんはわたしが漏らす息さえ全部吸うように唇をせわしなく動かした。
まるで食べられてるみたい。

薄く目をあけると今度はお兄ちゃんも目を閉じていて、ぎゅっと眉間に寄せられた皺が可愛い。
キスを重ねるうち、より深く、と自然に舌が絡んだ。
熱く湿った柔らかいものが舌先を撫でる。
あっと思ったのは一瞬で、すぐにわたしは自分の舌を差し出した。

ぬるる、と舌同士が滑る。
最初は違った温度がだんだん一緒になっていく。
すぐに二人の温度になって、頭が溶けちゃいそうになる。

「ん、ふ……」
舌を絡めながら声が出る。それは自分の声じゃないみたいに耳に響いて、恥ずかしくなるけれど、お兄ちゃんも
「ンン、はぁ……」
と吐息を漏らして感じてくれてるみたいでほっとする。
お互いの声を聞いているとさらに変な気持ちになって、わたしたちはどんどん激しく舌を絡ませた。

どれくらいそうしていたのか、とうとう息が続かなくなって唇を離した。
離すとき唾液の糸がつぅっと二人の間を繋いだ。
少しハッとする。だけど、恥ずかしい、と思う前にお兄ちゃんがぎゅっとわたしを抱きしめてくれる。

「あやね……」
わたしの体はすっぽりお兄ちゃんの腕の中に入ってしまって、お兄ちゃんいつの間にこんなに大きくなったんだろう、と不思議に思う。
なんとなく、お兄ちゃんもそう思っているんじゃないかなと思う。
あやねはいつの間にこんなに小さくなったんだろうって。
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