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秘密の二段ベッド
第1章 はじまり
結局、夕ご飯までわたしは雑誌を読みふけった。ご飯の間はマットレスと敷き布団の間に本を隠した。
部活で遅くなったお兄ちゃんがご飯の途中で帰ってきて、一人で部屋に行った時は見つからないかドキドキしたけど、ちゃんと隠してるし大丈夫、と自分に言い聞かせた。

ご飯のあとはテレビも見ずにお風呂をさっと済ませて部屋に帰った。
お兄ちゃんがご飯とお風呂の間また雑誌を読む。
読んでいる間は体がポカポカしてアソコもムズムズして大変だった。
一気に色々知ったから知恵熱が出たかと思った。
でもそれはわたしが興奮してるせいだった。学校で習った性教育とは全然ちがう、ムズムズ、ムラムラするえっちな世界を知ったせい。

えっちな雑誌には体験談や、漫画や小説があって、しかも主人公は同年代の女の子ばっかりだった。体験談だって中学生とか小学生で……とかの話も載っていて、わたしは目が回りそうだった。
中でも実のお兄ちゃんとえっちな事をしてしまった、という話が自分とお兄ちゃんを重ね合わせて一番興奮してしまった。

読んでる間中アソコがムズムズして、熱くなってるのが解った。
どうしようもなくなって、女の子のオナニーの体験談のコーナーを熱心に読んだ。
だけどマネしてやってみようか……と手を伸ばした時にお兄ちゃんが階段を上ってくる音がして、慌てて雑誌を隠して寝たふりをした。

目を閉じていると、お兄ちゃんの生活音が聞こえてくる。
お風呂上りのいい匂いが届いて、胸がぎゅっとなった。
お兄ちゃんの匂い。

良く知ってる匂いなのに、なんで今日はこんなにいい匂いに思えるんだろう。
お兄ちゃんの鼻歌や教科書とノートを整理する音、ベッドに入ってゲームする音や寝返りする音がいつもよりはっきり聞こえる。

お兄ちゃん、今日はするのかな……。
そんなことを考えて目をつぶっている間に本当に寝てしまった。
気付いたら部屋は暗くて、お兄ちゃんの寝息が下から聞こえた。
今日は、寝てるんだ……。わたしはがっかりしたような、ほっとしたような、なんとも変な感じで目を閉じた。
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