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若葉の清算
第4章 若葉の清算


学年主任の田中は、面白い事などは一切言わない性格と、髪の毛がベタッとして腹が出て不潔そうな見た目をしている。なので生徒達からは嫌われている存在だった。


「二人でなにしてるんだ?」

「別れ話をしていたんです」


健斗は隠しもせずに答えた


「そうか、別れ話は終わったのか?」

「終わりました」

「じゃあ、約束通り頼むよ」


そう言うと田中は視聴覚室のドアのカギを閉めて、健斗の所まで歩み寄った。そして、財布から一万円札を何枚か渡した。


「約束の十万だ」

「有難う御座います」


葵は何が何だかわからず、二人のやり取りを黙って見ていた。


「じゃあ始めるか!」


田中は服を脱ぎだしトランクス一枚になった。


「えっ!?」


葵は慌てて目をそらしながらドアの方に逃げようとした。


「待てよ!」


健斗が葵の腕を掴んで引き留める。


「今までお前に使った金を、先生が肩代わりしてくれたんだよ」

「言ってる事がわからない!」

「先生に抱かれればいいんだよ!」

「は?意味がわからない!」


田中がゆっくり近づいてくる。そして葵の腕を掴み、強引に床に押し倒した。


「ビデオで撮って売れば少しは金になるし、十万なんて安いもんだよ」


そう言いながら、葵のジャージのズボンを脱がそうとしてきた。


「いやっ!やめてっ!」


田中は面倒くさそうな表情をしながら葵の髪を掴み、無理やり葵の上半身を起こした。


「痛いっ!」

「あんまり大きい声出すなよ」



ドガッ!



葵は思いっきり頬を殴られ、床に倒れ込んだ。



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