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Birthday’s
第3章 番外編ー由美子と誠ー
「奥様?携帯鳴ってますよ。メールでしょうか?」
家政婦の清水さんの声に、由美子は携帯を探す。
夫の誠からのメールだった。
誠のプライベートの携帯はほぼ家族との連絡用で、由美子にはこれまで帰宅の連絡と外食を知らせるメールしか入ったことがない。
仕事中にメールを送ってくることなど皆無だったから、ただ単純に、不思議に思った。
メールの内容は
《書斎のデスクに忘れ物したかもしれないから見に行って下さい》
これまた不可解。
仕事に使うものなど由美子が見たところで判りもしないし、どうしても必要なものなら秘書の梶井さんが取りに来るはずだ。
そもそも誠が忘れ物をしたことなど、由美子の知る限り一度もない。几帳面な性格なのだ。
「何なのよ一体…」
「メールでした?」
「誠さんから。書斎に忘れ物したから見て来いですって。何なのかしらね? もう。」
首をかしげながら二階に向かう由美子の後ろ姿に、家政婦の清水恭子はふふ、と笑ってしまう。
『奥様、今日がご自分のお誕生日だってこと、忘れてらっしゃるわけではないと思うんだけど。』
家政婦の清水さんの声に、由美子は携帯を探す。
夫の誠からのメールだった。
誠のプライベートの携帯はほぼ家族との連絡用で、由美子にはこれまで帰宅の連絡と外食を知らせるメールしか入ったことがない。
仕事中にメールを送ってくることなど皆無だったから、ただ単純に、不思議に思った。
メールの内容は
《書斎のデスクに忘れ物したかもしれないから見に行って下さい》
これまた不可解。
仕事に使うものなど由美子が見たところで判りもしないし、どうしても必要なものなら秘書の梶井さんが取りに来るはずだ。
そもそも誠が忘れ物をしたことなど、由美子の知る限り一度もない。几帳面な性格なのだ。
「何なのよ一体…」
「メールでした?」
「誠さんから。書斎に忘れ物したから見て来いですって。何なのかしらね? もう。」
首をかしげながら二階に向かう由美子の後ろ姿に、家政婦の清水恭子はふふ、と笑ってしまう。
『奥様、今日がご自分のお誕生日だってこと、忘れてらっしゃるわけではないと思うんだけど。』