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Birthday’s
第3章 番外編ー由美子と誠ー
しかし、対する妻の由美子は面白いほどに、そういった演出に疎い。
良くも悪くもストレートで、そういった回りくどいことを嫌う。
例えば、今晩誠がバラの花束を抱えて帰って来たとしても、感激したりはしないだろう。
顔色一つ変えずに「ありがとう」と受け取って、
「清水さん、これ活けといて?」
で終わるのだ。実際、そんなシーンは今まで幾度となく見てきた。
もう少し喜ばれても、としゃしゃり出たくなってしまうほどあっさりとしている。
それでも、誠は毎年、結婚記念日には花を買って帰ってくる。
普通なら妻にそんなあしらいをされたら止め てしまうと思うが。
だから、そんな妻に対して懲りずに凝った演出を考える誠はとても素敵な夫だと思う。
由美子にしてもなんだかんだいいながら嬉しくないわけではないのだろう。
本当に嫌がっているのなら、受取りもしないだろうし、本当に嫌だと思っていることを毎年されれば喧嘩にだって発展しそうなものだ。
そんな由美子が、きょうのフォーチュンクッキーのメッセージを見たらどんな顔をするのか。
その場に居合わせられるだけでも恭子は楽しみでならなかった。
良くも悪くもストレートで、そういった回りくどいことを嫌う。
例えば、今晩誠がバラの花束を抱えて帰って来たとしても、感激したりはしないだろう。
顔色一つ変えずに「ありがとう」と受け取って、
「清水さん、これ活けといて?」
で終わるのだ。実際、そんなシーンは今まで幾度となく見てきた。
もう少し喜ばれても、としゃしゃり出たくなってしまうほどあっさりとしている。
それでも、誠は毎年、結婚記念日には花を買って帰ってくる。
普通なら妻にそんなあしらいをされたら止め てしまうと思うが。
だから、そんな妻に対して懲りずに凝った演出を考える誠はとても素敵な夫だと思う。
由美子にしてもなんだかんだいいながら嬉しくないわけではないのだろう。
本当に嫌がっているのなら、受取りもしないだろうし、本当に嫌だと思っていることを毎年されれば喧嘩にだって発展しそうなものだ。
そんな由美子が、きょうのフォーチュンクッキーのメッセージを見たらどんな顔をするのか。
その場に居合わせられるだけでも恭子は楽しみでならなかった。