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Birthday’s
第3章 番外編ー由美子と誠ー

高校卒業を目前に父親が自殺した。
事業に失敗して莫大な借金を背負った為だと聞いた。
借金自体は父が経営していた会社や家などの資産を整理すれば何とか返せたようだったが、家族の生活はたち行かなくなった。
住んでいた西宮の自宅を追われ、父の会社の関係者のはからいで、隣の尼崎に小さなアパートを借りられる事にはなった。
だが、生活費、家賃、高校に進学する弟の学費は工面せねばならない。
母はお嬢様育ちで何も出来ない。
中学生の弟には頼れない。
自分が何とかするしかないと思った。
短絡的ではあったが、水商売がお金になると思い、高校を卒業してすぐに北新地で働き始めた。
卒業式の後、私立のお嬢様学校の制服のまま、
「この店で働かせて下さい。」
と言ってきた由美子に、
並々ならぬ決意を感じたようで、ママは、親身になって話を聞いてくれ、働かせてくれた。
元々顔も美人だし、スタイルもスラッとしていた為、ドレスも良く映え、すぐに売れっ子になった。
元の育ちも手伝って品も花もあったし、何より、家族を養っていく、という強い意志があった。
愚痴も弱音も吐かずに笑顔で接客する態度は長年色んな女の子を見てきたママをして唸らせる程の強さだった。
事業に失敗して莫大な借金を背負った為だと聞いた。
借金自体は父が経営していた会社や家などの資産を整理すれば何とか返せたようだったが、家族の生活はたち行かなくなった。
住んでいた西宮の自宅を追われ、父の会社の関係者のはからいで、隣の尼崎に小さなアパートを借りられる事にはなった。
だが、生活費、家賃、高校に進学する弟の学費は工面せねばならない。
母はお嬢様育ちで何も出来ない。
中学生の弟には頼れない。
自分が何とかするしかないと思った。
短絡的ではあったが、水商売がお金になると思い、高校を卒業してすぐに北新地で働き始めた。
卒業式の後、私立のお嬢様学校の制服のまま、
「この店で働かせて下さい。」
と言ってきた由美子に、
並々ならぬ決意を感じたようで、ママは、親身になって話を聞いてくれ、働かせてくれた。
元々顔も美人だし、スタイルもスラッとしていた為、ドレスも良く映え、すぐに売れっ子になった。
元の育ちも手伝って品も花もあったし、何より、家族を養っていく、という強い意志があった。
愚痴も弱音も吐かずに笑顔で接客する態度は長年色んな女の子を見てきたママをして唸らせる程の強さだった。

