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穴を掘っている
第4章 理想の親子
母さんとショッピングに行く
「はる君、この服どう?」
母さんは嬉しそう
「え?少し派手じゃない?」
「若いんだもの、似合うわよ」
花のように……艶やかな笑みに
僕の顔も緩むよ
僕が試着室に入り着がえる
服を脱ぐと、母さんは慌ててガーデンを閉めた
母さん
貴方の瞳には僕は男ですか?
「母さん、どう?
派手じゃない?」
「はる君似合うよ!」
母さんは買う算段をする
結構沢山の服を買い込んで、帰りにレストランに入った
エスコートして母さんを座らせると……
母さんは不安な顔をした
「年上の彼女がいたんだよ」
「……え……幾つ位……?」
「25、キャリアウーマンだった彼女」
「別れたの?」
「………彼女は今は社長夫人だ
結局……富や名声には負けたってことさ」
「………はる君……」
「恋愛は色々……母さんだって、つい最近まで外人のバンドマンと付き合っていたんでしょ?
何で別れたの?
まさか僕が同居したから?」
母さんはバツの悪い顔をした
「………ヒモ……みたいに……なっていたから……」
「そんな男じゃなく結婚しなよ母さん」
「………当分はいいわ
それよりはる君、もうじき誕生日でしよ?
その日はお祝いしましょう」
「……そうだね……その日は……母さんと祝いたいよ」
嬉しそうに笑うと……
母さんも嬉しそうに笑った
母さん……
僕は今
貴方が望む息子になれましたか?