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穴を掘っている
第4章 理想の親子

僕の遺された時間
誕生日までの僕の遺された時間
僕は誰よりも貴方の望む息子でいよう……
みんなが口を揃えて褒めちぎる良い子
僕のいなくなった時に誹謗中傷されなくて良いように……
僕は誰よりも良い子でいなきゃね……
母さんは仕事を増やした
僕といるのが気まずいのか?
泊まり込みの仕事を増やした
母さんのいない夜
僕は父さんが買ってくれた庭に穴を掘りに行く
僕一人埋めれる穴を掘るのは結構大変だった
シャベルで掘っても
追い着かない
僕はスコップを買った
穴を掘る
サクサク
夜中に穴を掘る音が響く
僕の身長は180近いから縦長の穴を掘らなければならない
母さん……
僕は何のために産まれたのですか?
僕は………人と違う子なのですか?
何でそんな子が産まれてしまうのですか?
それは僕の罪なのですか?
僕は……
生きてちゃいけないのですか?
母さんしか愛せない
ほかの女を抱いても……
母さんの体躯を見て勃起した日のような興奮はしない
インポじゃないから勃起はするさ
だけど脳髄を蕩けさせるような興奮はない
それを求めるのは……
罪なのですか?
母さん
僕は疲れました
たかが、18そこそこまでしか生きてないのに……
僕は疲れています

