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第4章 理想の親子

貴方のいない夜に……

貴方の脱いだ服の匂いをかいで……

貴方の脱ぎ捨てたパンティの匂いをかいで……

僕は興奮するのです

貴方の匂いが僕を狂わす…

こんな奴

息の根を止めなきゃダメだよね

生まれて

何処で道を誤った？

何故……僕はこんな人生しか用意されていなかったのですか？

貴方の息子じゃなかったら……

僕は母さんに欲情しなかったのですか？

父さんがいてくれたら……

僕は母さんに劣情を抱かなかったのですか？

僕には解らない

この世に生まれてしまった今じゃ……

僕は僕にしかなれない

僕は……

どれだけ母さんと引き離されようとも……

母さんしか愛せない

母さんしか欲しくない

何故……こうなったのですか？

貴方が……

美しい女じゃなかったら抱かなかった劣情ですか？

間違いなのは解ってる

諦めないとダメなのは解ってる

だけど……僕はこうしてしか生きられないんだ

終わらせよう……

この人生を終わらせる

母さん

貴方は亡くした息子を想って歌を歌えば良い

誰よりも貴方の心の中を占領できるのであれば……

僕は僕を……殺せるよ

諦めは……

貴方を求めた日から出来てる

だけど僕は諦めの悪い人間だから……

貴方を諦められない

この体の中の貴方の血を抜き取り……

貴方のくれたこの体を切り裂き……

穴に埋めなきゃ……

ガツッ

サクッ

サクッ

バサッ

一晩中穴を掘る

僕は僕を埋める穴を掘る……