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穴を掘っている
第6章 終焉


茉莉亜は泣きながら……

「悠真の部屋も……初めて入ったの
そしたら家具はベッド一つだった
何もなかったの……
自分の痕跡を消すみたいに……
何一つ……自分の持ち物は置いてなかったの…」

こんな淋しい……

寒い部屋にいたら……

普通の人間だっておかしくなる……

寒い……

こんなに寒い……

茉莉亜と父親は家の中を探した

何処にも……悠真はいなかった

もしかして……不吉な思いを抱き……

庭へと出た

庭に出て探してると……

父親は穴にはまり転んだ

「…………落とし穴?……」

父親は足元を見た

「茉莉亜!」

父親は叫んだ

茉莉亜は父親の傍へと走った

「何?」

「照らしてくれ……」

茉莉亜は車へと走って懐中電灯を手にして戻って来た

父親を照らすと……

父親の手は血で濡れていた

「………貴方……怪我したの?」

「…………違う……茉莉亜、懐中電灯を貸せ」

立ち上がり!懐中電灯を手にして……辺りを照らすと……


悠真が穴の中へ入って……寝ていた

「………悠真?……こんな所で寝てたら風邪を引く…」

父親は悠真の体躯を譲った

力なく……悠真の体躯は揺れた

そして気付く

地面が血を吸い込んで……

真っ赤に染まっているのを……

「茉莉亜……救急車を呼べ!」

茉莉亜は震える手で…

救急車を呼んだ

そこが何処なのか解らず……

「貴方、ここは何処なよ!」

そう言い電話を父親とかわった

父親は電話に出て住所を教えた

暫くして救急車が到着した

救急隊員が悠真を調べると虫の息だが……

悠真は呼吸をしていた

応急処置をされ病院へと運ばれた

救急隊員が服を脱がすと……

ズボンの後ろのポケットに遺書らしき紙が入っていた

受験を苦にした遺書めいた事が書かれていた

親は改めてその紙を見せられた

自分の死が……

親を苦しめない為の方便だと……両親は知っていて泣いた

茉莉亜と父親、高見亮成の息子が受験を苦に自殺未遂をとし言うニュースはお茶の間を駆け巡った

誕生日の晩

自らの命を断った息子の話は……飛び火した

同級生とか教師とか知人にマイクを向けても

悠真の事を悪く言う人間は一人も出て来なかった

母子家庭だからこそ必死に、誰よりも真面目に生きた

悠真の姿しか語られなかった

誰もが良い子よ

と絶賛した
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