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人妻淫ら調教
第27章 日常の中の秘密
 五郎がチラリと腕時計を見ながら、


「トーストとコーヒーだけでエエんやけどな。それで頼むわ。」


「トーストとコーヒー、はい。」


 そう返事をして、台所に立つとトーストを焼き、レギュラーコーヒーを準備して、簡単なサラダとゆで玉子を用意して、テーブルに運んだ。


「五郎さん、準備できました。冷めないうちに、食べて下さい。」


 テーブルにつきながら言うと、五郎が待ちかねたように、


「うん、うまそうや。玉子までつけてくれたんやな。ありがたい。」


 そう言いながら、トーストにバターを塗り、上機嫌で喰らいついた。
 玲奈も、それをみて急いでパクつき始めた。
 十五分もすると、スッカリ綺麗に片付き台所で洗い物をしようとすると、


「洗わなくても、かんまんよ。出かけるぞ。」


「えっ、でも、そんなに?ん、ん、」


 後の言葉は男の唇で塞がれていた。
 ホンの短い接吻(くちづけ)だったが、人妻の中に新たな変化を引き出していた。


(離れられへん、けど、帰らんと子供の顔を見たい。けど、あかん、私、、、)


 唇が放れ、すぐに身支度を確かめると車に乗り、玲奈を会社まで送り五郎は駅に向かった。
 名残を惜しむ間もなく、玲奈は元の課の入り口に立っていた。


(何考えてるの?課長は、私とあの人のこと知ってるのよ。けど、少し元に戻っても、、。)


 元の課内に入ると、課長が珍しい物でも見るようにシゲシゲと玲奈を見て、


「高野さん、おはようございます。山口さんは、今日は?」


 少し淫らしい目付きで、玲奈の全身を舐めるように見ながら、彼女に聞いてきたが、


「おはようございます。山口室長は大阪へ出張です。課長によろしくとおっしゃってましたよ。今日は、新しいオフィスへの引っ越し準備に来させてもらいましたの。」


 課長の全てを知っているような視線に、玲奈は反発するよな感じで答えていた。
 周りの社員が驚いたのか、少しざわついたが課長は何事もなかったように、


「あぁ、そうかぁ、新しいオフィスが来週には完成らしいね。羨ましいよ、新しいオフィスはいいからねぇ。まあ、頑張って下さいね、高野さん。」


「はい、ありがとうございます。あちらに来られる時は、よろしくお願いします。それじゃ、片付けがありますので、失礼します」


 玲奈は、頭を下げ部屋を出た。
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