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人妻淫ら調教
第35章 解き放された蜘蛛の糸(ときほぐされたくものいと)
 五郎の冷たい言葉に反発しながら、玲奈は快感の名残に心を奪われそうになっている自分に、思わず唇を噛んだ。
 しかし、すぐに朝食の後始末に取りかかった。
 玲奈が片付けている間、五郎は携帯を取り上げどこかへ連絡を始めた。
 洗い物をしている玲奈の耳には、途切れ途切れに聞こえるだけだった。


「あぁ、昼前?いや、時間は?ん、そうか、じゃあ夕方やな?わかった、お膳立てはしておくよ。ふふふ、正体知ったら驚くで!ほなな、待ってるわ。」


 気にはなったが、自らの運命を聞く勇気は玲奈にはなかった。
 電話が終わり、五郎が喉を潤すために台所に入って来ると、彼女の後ろに立ち腰に右手を回した。
 男の手の動きに協力するように、玲奈は身体を預けるように動いた。


(アホッ、相手に協力して、、けど、もう、私には、、。)


 女の肉体を感じながら、五郎は左手を人妻の頬に回し唇を重ねた。
 貪り合うように唇を求め合いながら、玲奈の中にはポッカリと穴が開いたような虚しさが広がっていた。
 唇がユックリと離れ、


「寂しいか?ふふふ、けど今日は、それを忘れるほど忙しいで、クククッ。それに、お前が子供以外で会いたい人間が待ってるわ。そろそろ行くで。」


「あっ、はい。あの、会いたい人って?心当たりがないんですけど?」


 五郎の言葉に不安な気持ちを抱き、玲奈はきいていた。


「うん、そいつは会ってのお楽しみや。それ以外にもあるがな。ふふふっ。」


「そんな、どうせ、私をオモチャにするんでしょ。」


 皮肉を込めて玲奈が言うと、


「うん、その通りや。けど、それで悦んでるのは誰や、玲奈。」


「そんな、あれは、、、。」


 彼の冷たく嘲る言葉に、彼女は肉の悦びの記憶と羞恥が蘇り、屈辱感で肌を染めた。


「終わったら、あっちへおいで。終わったら、行く前の仕度をしなきゃならんからな。」


「あの、仕度って?まだ、あるん?」


 疑問を口にしたが、五郎からの答えはなかった。


(なんの、支度?縄?いけん、片付けんと。)


 色んな物が浮かんでは消えたが、玲奈は急いで台所の片付けを終わらせた。
 リビングへ入って行くと、


「終わったんや。着てるもん脱ぐんや。行く前に検査や。ふふふ、いややろけど、俺の楽しみや。クククッ。」


「そんな、わかりました、脱ぎます。」
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