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人妻淫ら調教
第35章 解き放された蜘蛛の糸(ときほぐされたくものいと)
 五郎の店を出てからという言葉に、玲奈は寒気を抑えられなかった。
 コーヒーの味も玲奈は味わうどころではなく、いつ淫具が動きだすかと落ち着かなくなっていた。
 それに、食い入るように彼女のスカートの裾を見つめる、若い男の視線も気になっていた。


「美味しいなぁ。あれ、そうか、お前はそれどころじゃないんや。ふふ、バイブは暫く動かんから、安心しなよ。クククッ。」


 からかうように言う五郎の言葉を、玲奈は信用してなかったが、


「ホンとに、動かさないんですね?これで、コーヒー飲めます。けど、、。」


 後の言葉を飲み込み、斜め前の若い男の方にチラリと視線を送っていた。


「うん、ここではな、動かさへんよ。後があるからな。」


「後、ですか?終わらないんですね。」


 諦め気味に彼女が言うと、五郎はニヤリとした。
 コーヒーを飲み終わり、会計を済まして店を出ると、建物の奥へ進んでいった。


「この間とは違うんですね。お店が何軒か入って。」


 時間を繋ぐつもりで、玲奈が何とはなしに口にすると、


「うん、撮影用だけではなしに、普通に新規事業として始めたんや。新規プロジェクトはこれなんや。他にもあるがな。クククッ。」


 意味ありげに笑う五郎の横顔に、玲奈はこの後に待つものが今までと違う事を感じていた。


「つまり、私のだけじゃないって、ことですか?」


「ふふ、それも大事なプロジェクトさ。けど、表向きはマトモな事業の方がな。ふふふ、不満かい?」


 面白がるような五郎の言葉に、玲奈は足元にポッカリ穴が開いたような気がしていた。
 そんな彼女の様子を楽しむように、五郎はグイグイと奥へと進んでいった。
 一番奥のスタッフ専用のドアを開け、何人かの関係者らしき人間とすれ違ったが、チラッと視線を送っただけで無関心に通り過ぎていった。
 非常口の前で止まり、周りを見回すように五郎が確めながら、


「さて、地獄の入り口をくぐるかな。俺に取っては天国だがな。クククッ。」


「この奥ですか?この間の部屋ですか?」


 不安感を面に出しながら、玲奈は期待をしている自分自身を否定できなかった。


「ふふふ、その通りや。この間の部屋もある。まあ、見てのお楽しみやな。クククッ。このドアや。」


 玲奈の不安感を弄ぶように、五郎は非常口の隣のドアを開けた。
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