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生徒会室にベッドがあるわけは
第2章 人間を犬に変えるには
「お前マジ知らんぞ、退学とかじゃスマンやろこんなん。もうやめろって」
「勉強してますか先輩?」
「は?」
「野球部って馬鹿のイメージなんで。」
「まあ馬鹿やな、あはは。」
またあの笑顔だ。我慢強いなあ。
後輩を持つってのは忍耐がいるのかも。

「いやマジで受験とかね、先輩。」
「まーどうにかなるやろ。」
「どーにかならないですよ。甲子園と一緒ですよ。
 そんな感じでしょずっと、先輩の人生。」

黙る先輩。けっこう痛いとこつかれたっぽい。
あーなんか悪い気がしてくる。でも知らない。
『正しい』にこだわる割にいい加減だこの人。ダメ人間。

「別に勉強だけが人生やないやろ。」
「でも高校出てすぐ働く気もないんでしょ。」
「とりあえずやめろよ、こーゆうの。」
「こーゆうのって弱いものイジメですか?」
「売春。てか俺弱いものなんか。」
明らかに怒りの笑顔の先輩。

「笑ってる場合じゃないでしょ。帰って参考書広げろよ。」
そう言って先輩の鞄をすっと取り上げる私。
クッソ軽い。ほとんど何も入ってない。
「もう野球も何もないんですよ。
 何しに学校来てるんですか?」

視線を逸らした先輩を、私は力一杯ビンタする。
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