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生徒会室にベッドがあるわけは
第1章 人間に尻尾を生やすには
「ひぁぅ……!」

小動物みたいな声を漏らして、オタク君は私の腕の中でおとなしくなった。
思わず荒くなった鼻息を必死で抑えようとしているのがいじらしい。
唇を離して、ぽーっとした表情を浮かべる彼の前髪を掻き分ける。
思ったとおりだこの人、もったいないくらい可愛い顔立ちをしている。
ちょっとぽっちゃりなのが、なんかむしろプラスかも。ドーテー感も出るし。

「ごめんなさい、キスは初めてでしたか?」

「……はい……。」

今にもはち切れそうな股間をズボンに収めたまま、オタク君は恥ずかしがる。
 
「私が初めてでとても嬉しいです。なんだかこちらもドキドキしてきました。」

そう言ってあげると、オタク君の表情がふんわり緩んだ。
わかりやすくて、頭をなでてあげたくなる。母性本能をくすぐる奴だなあ。

「あの……あの……。」

どーしていいのかわからないのだろう。意地悪して様子を見てみる。
股間をギンギンにさせて、うろたえる様は笑える。そして、エロい。
今日みたいな初夏って、全ての生き物がちょっとエッチな気分なんじゃないかなとか思う。人間も動物だ!
それに放課後の生徒会室ですよ、こんなんもう高校生にとってはアレだろ。

窓の外から運動部の練習する声がする。
少しだけ上目遣いに、微笑みながらオタク君に聞いてみる。

「どういたしましょうか?」
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