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ラブカルチャースクール 3
第3章 Lesson チェリー
パタン――――

ドアの閉まる音と共に、足が慎重に進みだす。

タブレットを胸に包み込むように抱きしめて、エレベータに向かっていく。

「ジュリ……わざと言ったのかな?」

余り気にしちゃいけないけど、セイジに関わる発言はどうにも無視できない。

今はセイジに質問したいと言っておきながら結局ヤナセに上手く甘えていたようにも見えたから、もしかしてセイジへの思わせぶりな台詞は計算?

そうなるとジュリのターゲットはやっぱり、『いい男』と言っていたヤナセなのだろうか?

若しくはセイジも狙っていて、ヤナセの次にキープとか???

少しでも不安要素を拭いたいせいか、分からない答えをグルグルと無駄に考えてしまっていたら、エレベーターの前を通り過ぎて壁にぶつかりそうになってしまった。

「はっ!! ダメ! 今は立派な女性講師になるためにレッスンに集中しなきゃいけないのに」

そう思って大きな希望と夢を抱いてやっとここまで来たのに、初日からこの様じゃ励ましてくれた人たちに申し訳が立たない。

「とにかく今は講師としての生活に慣れるのが優先よね。ラブカルルールだって簡単に変わる訳じゃないし、焦っても仕方ないもの。ジュリが何か言ってもテンションを盛り上げるためのギャグだと思うことにしよう」

誰もいない廊下でブツブツと独り言を言いながら、エレベータの上がるボタンを無意識に押した。


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