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ラブカルチャースクール 3
第3章 Lesson チェリー

なっ!
いくら普段からぶっきら棒な物言いでも、他に言いようってないの~?
冗談か本気か分からないワタリの言葉に、唇を尖らせながら否定しようとすると――――
パシィィィ――――ンッ!!
空気を裂くような音が鳴り響き、平安絵巻さながらの和柄の扇子が大きく開く。
「ワタリ、琴海さんがそんなことする訳ないかと。失礼です」
開いた扇子で口元を覆って、真っ黒な前髪の隙間から同じく黒曜石のような瞳を眼鏡越しに光らせる和風男子ハナブサが淡々と私の気持ちを代弁してくれた。
偶然にもヤナセを除く『ラブカル四天王』がうち揃っている――――。
「ありがとう…ございます」
ハナブサのフォローしてくれたのは嬉しいが、狭い空間で鳴り響く扇子の音は思いのほか大きくて、唖然としてしいる私を横目にワタリがボソッと呟いた。
「分かってる……」
え……今なんて言った?
今度はワタリの発言に驚いて、口を開きかけながら高いビルでも仰ぐみたいに見上げると
「チワワちゃん、上に行くならお乗りなさ~い」
ホズミが長い指を揃えておいでおいでする。
「はいっ!」
まるで飼い主に呼ばれた犬っころのように、エレベーターに飛び乗った。
三人の間にちんまりと収まると、ドアが静かに閉まる。
「何階に行くんだ?」
あんなこと言いながらも、私が中に入るまでワタリはボタンを押していてくれていたのだ。
「ありがとうございます。行先は……その~」
相変わらず分かりにくい優しさに感謝しつつも、行先を問われて言葉が詰まってしまった。
いくら普段からぶっきら棒な物言いでも、他に言いようってないの~?
冗談か本気か分からないワタリの言葉に、唇を尖らせながら否定しようとすると――――
パシィィィ――――ンッ!!
空気を裂くような音が鳴り響き、平安絵巻さながらの和柄の扇子が大きく開く。
「ワタリ、琴海さんがそんなことする訳ないかと。失礼です」
開いた扇子で口元を覆って、真っ黒な前髪の隙間から同じく黒曜石のような瞳を眼鏡越しに光らせる和風男子ハナブサが淡々と私の気持ちを代弁してくれた。
偶然にもヤナセを除く『ラブカル四天王』がうち揃っている――――。
「ありがとう…ございます」
ハナブサのフォローしてくれたのは嬉しいが、狭い空間で鳴り響く扇子の音は思いのほか大きくて、唖然としてしいる私を横目にワタリがボソッと呟いた。
「分かってる……」
え……今なんて言った?
今度はワタリの発言に驚いて、口を開きかけながら高いビルでも仰ぐみたいに見上げると
「チワワちゃん、上に行くならお乗りなさ~い」
ホズミが長い指を揃えておいでおいでする。
「はいっ!」
まるで飼い主に呼ばれた犬っころのように、エレベーターに飛び乗った。
三人の間にちんまりと収まると、ドアが静かに閉まる。
「何階に行くんだ?」
あんなこと言いながらも、私が中に入るまでワタリはボタンを押していてくれていたのだ。
「ありがとうございます。行先は……その~」
相変わらず分かりにくい優しさに感謝しつつも、行先を問われて言葉が詰まってしまった。

