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ラブカルチャースクール 3
第8章 Lesson 困惑
「今日の……途中で起きたことについてですが……」

ドッキン――――

ヤナセはレッスン中に急に私の様子がおかしくなったことに触れてきた。

「はい……いきなり中断させてしまってすみませんせした……」

一気に声のトーンを落として、肩を窄める。

頭を下げようとしたら、ヤナセが止めるように話し出した。

「琴海さん……あのことはお気になさらずに……時たまあることなんです」

「え……」

驚いて顔を上げた私にヤナセは優しく微笑み、話を続けていく。

「女性は元々セックスに対して……不安感を持つことが多いです。普段何かあった場合は……女性の方がリスクが大きいですし」

「……はい」

「素顔や……裸体……乱れた姿を見せることへも抵抗があると思います」

「はい……」

何時もの独特な間合いの話し方で穏やかに話すヤナセの声に、自然と引き込まれていく。

「なので……スクールに生徒として通うこと自体も……大変な勇気が必要です」

「……」

さっきのレッスン中でもヤナセは言っていた――――

色んな想いを抱えて、ここまで来たことを代弁してくれたのだ。

思い出すとまた目頭が熱くなりそうで、声が詰まってしまう。

ヤナセは誰もが魅了されそうな微笑みを浮かべて、小さく頷いた。

「女性講師としてのレッスンは……特殊な上に、過酷です。今日は琴海さんも……精神力で受け止めようとしてらっしゃったかと思いますが……かなりのプレッシャーがあったと思います」

「はい……緊張はしていました」

「ですよね……極度の緊張感は、身体に負荷を与えます。大なり小なり……いつにない不安感が増幅すれば、脳内はそれを回避するために色んなシグナルを出して参ります……」

「あ……」

ヤナセはまた小さく頷いた。

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