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第8章 Lesson 困惑

今日のヤナセは本当に怖かった――――。

何かしら意味があってのことだとは思っていたけど、三人を自惚れや増長させないためだったのか。

ラブカルの講師になった経緯もそれぞれありだろうけど、条件だって厳しかったと思う。

それをクリアしてきた訳だから、ある程度の自信がなければ無理だろう。

ラブカルは特殊な世界だ。

その中に居たら、大事なことを履き違えてしまう人も現れるかもしれない。

女性講師からしたら数名でのレッスンは酷な部分があるけど、男性講師を慢心させないためには確かに効果的な気がした。

「女性講師の方には……数名の男性の前で裸体にさせてしまうのは、心苦しいのですが……こればかりはスクールの教育方針として、どうしても変えられない部分でもあります」

「はい、それは凄く意味があると思います」

ヤナセは少し眉を寄せて申し訳なさそうに言ってきたが、知りえた理由が納得出来たから胸にスッと収まった気分だ。

軽く頭を下げて「ありがとうございます」と言ったヤナセの顔が、少し切なそうなのが気になるけど――――。

「それを覗けば……身体への負担なども軽減される部分はあります。ですがそもそも……生徒としてスクールに来た時点で、女性側はある程度の精神的ダメージを受けている方が大半です」

「……そうですよね」

私も自分が思う以上に、元旦那との関係に追い詰められていたのかもしれない。

それは自分の経験不足もあっただろうけど、あの頃は息が詰まりそうな毎日を変える術が見いだせないでいた。