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ラブカルチャースクール 3
第8章 Lesson 困惑
「うん! お先に~」

別に気合が入っている訳ではなかったけど、ジュリのノリについ合わせてしまった。

サナは無論、無言でストレッチを続けている。

しばらくして先にストレッチを終えたサナは、マシーンを使いに移動をしようとした。

「サナ、どこ行くの?」

其々のメニューは違うから、基本別れてトレーニングしているけど、今日は出来るだけサナと同じメニューに付いていた方が良いような気がした。

「うん、ランニング行ってくる」

「じゃぁ、私も一緒に行っていい?」

「……いいけど」

普段そんなことを聞かない私をサナは特に突っ込んでこない。

長身のサナとちびっこの私は並んでランニングマシーンに辿り着くと、そこにはまたしても強大な壁が――――
いやワタリが立ちはだかっていた。

「こんばんは」

一応笑顔で挨拶するが

「あぁ……」

いつもの如くぶっきら棒な返事が返ってくる。

まぁワタリ場合、ニッコリ笑って挨拶される方が逆に怖い。

「使うか」

「はい、良いですか?」

「調節出来るか?」

「大丈夫です!」

そして要点だけの単調な会話が繰り広げられるけど、無駄がなくて今の私たちには却って心地良かった。

空いているマシーンを自分の速度に調整を始める。

指でボタンを押しながら、背中にワタリのイーグルアイがビシバシと突き刺さるのを感じた。

ジュリと今日レッスンだったんだよね……。

当たり前だけど、ワタリの様子は普段と全然変わらない――――。

そんなワタリの姿に、やはりカリスマ講師は私情が入らないのだと、しみじみ実感していると――

「おい……お前大丈夫か?」

急に様子が変わったワタリの声が飛んできた。

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