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ラブカルチャースクール 3
第8章 Lesson 困惑

「医務室に連れていく」
「頼む……」
一言告げるとワタリは、素早い動きでジムのフロアを横切っていく。
ワタリが通っていく場所に居た講師は、慌てて横に飛び跳ねて道をあけていた。
背の高いサナでも、ワタリが抱き上げていると小さく見える……。
ワタリのデカさを改めて認識してしまう。
呆然と立ち尽くしてワタリの背中を見送っていると、ヤナセが少ししゃがんで顔を覗き込むように話し掛けて来た。
「琴海さん……ワタリだけでも処置は大丈夫ですが、私もサナさんの様子を見てきますね」
こういう事態を想定していたのだろうか、ヤナセは厳しい表情はしていたけど焦ってはいないようだ。
「分かりました……」
大丈夫だと思いうけど、サナが心配で少し目が潤んできてしまう。
私が泣いたって仕方ない。
却ってヤナセに迷惑掛けてしまうと思って、唇を噛んでグッと堪える。
「大丈夫……ですよ」
そんな私を安心させるように、ヤナセは優しく微笑んで頷いた。
パタパタパタ――――
騒ぎを聞きつけて駆け寄ってきた足音がする――ジュリとカレンだ。
「ちょっとコトミ、今サナ、ワタリに運ばれて行ったよね?」
「ヤナセさん、サナは……」
やたら興奮気味のジュリは、何を気にしているのだろう?
流石に神妙な面持ちになったカレンにも、ヤナセは微笑み掛ける。
「様子見て参りますので……トレーニングメニューを続けておいて下さい。何かありましたら……ホズミかハナブサ、ヨウコに申し付けて下さい」
「はい……」
「はい、分かりました」
「えっ! ヨウコさん!?」
反応の違うジュリはスルーして、ヤナセは再び穏やかに微笑むとワタリたちを追って医務室に向かって行った。
「頼む……」
一言告げるとワタリは、素早い動きでジムのフロアを横切っていく。
ワタリが通っていく場所に居た講師は、慌てて横に飛び跳ねて道をあけていた。
背の高いサナでも、ワタリが抱き上げていると小さく見える……。
ワタリのデカさを改めて認識してしまう。
呆然と立ち尽くしてワタリの背中を見送っていると、ヤナセが少ししゃがんで顔を覗き込むように話し掛けて来た。
「琴海さん……ワタリだけでも処置は大丈夫ですが、私もサナさんの様子を見てきますね」
こういう事態を想定していたのだろうか、ヤナセは厳しい表情はしていたけど焦ってはいないようだ。
「分かりました……」
大丈夫だと思いうけど、サナが心配で少し目が潤んできてしまう。
私が泣いたって仕方ない。
却ってヤナセに迷惑掛けてしまうと思って、唇を噛んでグッと堪える。
「大丈夫……ですよ」
そんな私を安心させるように、ヤナセは優しく微笑んで頷いた。
パタパタパタ――――
騒ぎを聞きつけて駆け寄ってきた足音がする――ジュリとカレンだ。
「ちょっとコトミ、今サナ、ワタリに運ばれて行ったよね?」
「ヤナセさん、サナは……」
やたら興奮気味のジュリは、何を気にしているのだろう?
流石に神妙な面持ちになったカレンにも、ヤナセは微笑み掛ける。
「様子見て参りますので……トレーニングメニューを続けておいて下さい。何かありましたら……ホズミかハナブサ、ヨウコに申し付けて下さい」
「はい……」
「はい、分かりました」
「えっ! ヨウコさん!?」
反応の違うジュリはスルーして、ヤナセは再び穏やかに微笑むとワタリたちを追って医務室に向かって行った。

