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ラブカルチャースクール 3
第8章 Lesson 困惑

「はぁ~い! 各自トレーニングに戻りなさぁ~い!」
ヤナセとワタリが居なくなったあと、ジム中にお姉言葉が響き渡る。
ホズミの掛け声に一瞬騒然となったジムは、直ぐに元の様相に戻った。
私もランニングを続けようと思ったけど、脚が何となく進まない。
「サナ……大丈夫かな」
「貧血かしらね?」
「医務室って、何階かしら?」
「……」
「トレーニングしましょ」
「ちょっと! 二人とも無視しないでよ~!!」
一人だけ他のことを気にしていそうなジュリに、私もカレンも口を噤んでトレーニングに戻っていく。
ジュリはトレーニングの相談か医務室のことでも聞きくのか、ホズミの所へ駆け寄っていった。
そんなジュリに関わりたくないかのようにカレンは腹筋をやると言って、遠く離れたマシーンの方へ行ってしまった。
ランニングを始めるためにマシーンに戻るが、胸がモヤモヤして重苦しい……。
「はぁぁぁ……」
胸のつかえを吐き出すように、重たい溜息を吐いていると――――
「君も、具合悪いの?」
聞き覚えのある――でもまだ耳には慣れていない声が鼓膜に纏わり付いてきた。
このタイミングで……まさか?
声の主の方に振り向くと、闇を背負ったように漆黒が似合う講師が立っている。
ゴクリ――――
言い知れぬ緊張感が体中に一気に張り巡らされて、息を飲む。
一見講師らしからぬ……
でもビロードのように美しい光沢感のある長い黒髪が、妖しく揺れた――――。
ヤナセとワタリが居なくなったあと、ジム中にお姉言葉が響き渡る。
ホズミの掛け声に一瞬騒然となったジムは、直ぐに元の様相に戻った。
私もランニングを続けようと思ったけど、脚が何となく進まない。
「サナ……大丈夫かな」
「貧血かしらね?」
「医務室って、何階かしら?」
「……」
「トレーニングしましょ」
「ちょっと! 二人とも無視しないでよ~!!」
一人だけ他のことを気にしていそうなジュリに、私もカレンも口を噤んでトレーニングに戻っていく。
ジュリはトレーニングの相談か医務室のことでも聞きくのか、ホズミの所へ駆け寄っていった。
そんなジュリに関わりたくないかのようにカレンは腹筋をやると言って、遠く離れたマシーンの方へ行ってしまった。
ランニングを始めるためにマシーンに戻るが、胸がモヤモヤして重苦しい……。
「はぁぁぁ……」
胸のつかえを吐き出すように、重たい溜息を吐いていると――――
「君も、具合悪いの?」
聞き覚えのある――でもまだ耳には慣れていない声が鼓膜に纏わり付いてきた。
このタイミングで……まさか?
声の主の方に振り向くと、闇を背負ったように漆黒が似合う講師が立っている。
ゴクリ――――
言い知れぬ緊張感が体中に一気に張り巡らされて、息を飲む。
一見講師らしからぬ……
でもビロードのように美しい光沢感のある長い黒髪が、妖しく揺れた――――。

