この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ラブカルチャースクール 3
第8章 Lesson 困惑

「イオリ……さん」
『闇王子』だ――――!!
よりにもよってヤナセが居ないこのタイミングで二人っきりになってしまうなんて、一難去ってまた一難!!
私の不安と焦りを他所に、イオリは意味深に口元に笑みを浮かべる。
「ん? 名前覚えてくれていたの」
イオリは嬉しそうに言っているようで、目が笑っていなかった。
「は、はい……」
なるべく視線を合わせたくなかったけど、彫の深い目元はブラックホールのようで吸い込まれて行きそうだ。
ハッキリとした意思をもった眉の下に切れ長の目。
ワタリくらい鋭い瞳は、ハナブサみたいに真っ黒だ。
筋の通った鼻は高いし、薄いけど形の整った唇は妙に色っぽかった。
日本人離れしているようで、闇夜の竹林とかが似合いそうにも思えた。
恐怖心に煽られながらも、マジマジとイオリを観察してしまう自分がいる。
端から見たらツキノワグマの前に、逃亡を図るチワワだろうか――――。
ど、どうしよう……。
ホズミかハナブサに助けを求めたいけど、姿が見えない。
ヨウコさんも傍に居そうになかった。
そもそもヤナセとの確執をヨウコさんは知っているのだろうか?
あぁぁぁ――――ほんの一瞬で、ジムがラブカルサスペンス劇場になってしまった。
ここでセイジが現れてくれないかとも思ったけど、セイジがジムを使う時間はかなり遅いと聞いていた。
万事休す……かな。
でもこれからもイオリに会うことも、もしかしたらレッスンを受けることもあるかもしれない訳だから、何とか一人でここは切り抜けねばだ。
そう思った瞬間――――
嫌な予測が頭を過った。
『闇王子』だ――――!!
よりにもよってヤナセが居ないこのタイミングで二人っきりになってしまうなんて、一難去ってまた一難!!
私の不安と焦りを他所に、イオリは意味深に口元に笑みを浮かべる。
「ん? 名前覚えてくれていたの」
イオリは嬉しそうに言っているようで、目が笑っていなかった。
「は、はい……」
なるべく視線を合わせたくなかったけど、彫の深い目元はブラックホールのようで吸い込まれて行きそうだ。
ハッキリとした意思をもった眉の下に切れ長の目。
ワタリくらい鋭い瞳は、ハナブサみたいに真っ黒だ。
筋の通った鼻は高いし、薄いけど形の整った唇は妙に色っぽかった。
日本人離れしているようで、闇夜の竹林とかが似合いそうにも思えた。
恐怖心に煽られながらも、マジマジとイオリを観察してしまう自分がいる。
端から見たらツキノワグマの前に、逃亡を図るチワワだろうか――――。
ど、どうしよう……。
ホズミかハナブサに助けを求めたいけど、姿が見えない。
ヨウコさんも傍に居そうになかった。
そもそもヤナセとの確執をヨウコさんは知っているのだろうか?
あぁぁぁ――――ほんの一瞬で、ジムがラブカルサスペンス劇場になってしまった。
ここでセイジが現れてくれないかとも思ったけど、セイジがジムを使う時間はかなり遅いと聞いていた。
万事休す……かな。
でもこれからもイオリに会うことも、もしかしたらレッスンを受けることもあるかもしれない訳だから、何とか一人でここは切り抜けねばだ。
そう思った瞬間――――
嫌な予測が頭を過った。

