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ラブカルチャースクール 3
第8章 Lesson 困惑

睨み合うハナブサとイオリの背後に特殊効果のような黒い炎でも見えてきそうだ。
気付いたらランニングマシーンの場所には私たち三人だけになっていて、他の講師たちに遠巻きにされている。
確実に悪目立ちしているな……。
折角助けにきてくれたハナブサには申し訳ないけど、いい加減止めないと他の講師たちのトレーニングにも支障をきたしてしまう。
「あの……ハナブサさん。もう大丈夫ですので」
「分かりました。こやつがこの場を離れるまでは見届けさせて頂きます」
「はぁ……」
トレーニングジムが、今度は時代劇チックになってきた。
これでイオリは四天王の敵対勢力だって確定したけど、この二人の関係はただそれだけじゃないだろう。
凄く気になるけど今はとにかく、この状況から脱するのが先決だと思った。
いつまでも扇子を向けているハナブサを不愉快そうにイオリは一瞥して、切れの良い動きで背を向けと長い髪が黒いマントのように翻る。
その姿が、また闇夜に現れる美しい魔王なのではないかと錯覚させる。
他の場所へ移動して行ったイオリを見届けると、ようやくハナブサはずっと肩の高さで真っすぐ伸ばしていた腕を静かに下ろす。
いくら慣れている体勢とはいえ、動かないまま手を上げていたのは疲れた筈だ。
「ハナブサさん、すみません!」
自分のせいで余計な手間を取らせてしまったことが申し訳なくて、深々と陳謝すると
「いえ、琴海さんは何も悪くありません。寧ろ悪いのは……」
ハナブサは珍しく歯切れの悪い言い方をした。
気付いたらランニングマシーンの場所には私たち三人だけになっていて、他の講師たちに遠巻きにされている。
確実に悪目立ちしているな……。
折角助けにきてくれたハナブサには申し訳ないけど、いい加減止めないと他の講師たちのトレーニングにも支障をきたしてしまう。
「あの……ハナブサさん。もう大丈夫ですので」
「分かりました。こやつがこの場を離れるまでは見届けさせて頂きます」
「はぁ……」
トレーニングジムが、今度は時代劇チックになってきた。
これでイオリは四天王の敵対勢力だって確定したけど、この二人の関係はただそれだけじゃないだろう。
凄く気になるけど今はとにかく、この状況から脱するのが先決だと思った。
いつまでも扇子を向けているハナブサを不愉快そうにイオリは一瞥して、切れの良い動きで背を向けと長い髪が黒いマントのように翻る。
その姿が、また闇夜に現れる美しい魔王なのではないかと錯覚させる。
他の場所へ移動して行ったイオリを見届けると、ようやくハナブサはずっと肩の高さで真っすぐ伸ばしていた腕を静かに下ろす。
いくら慣れている体勢とはいえ、動かないまま手を上げていたのは疲れた筈だ。
「ハナブサさん、すみません!」
自分のせいで余計な手間を取らせてしまったことが申し訳なくて、深々と陳謝すると
「いえ、琴海さんは何も悪くありません。寧ろ悪いのは……」
ハナブサは珍しく歯切れの悪い言い方をした。

