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ラブカルチャースクール 3
第8章 Lesson 困惑

――――しかし、時既に遅し……。
「ホズミの名前よ――――」
「え……名前?」
日付が名前?
一瞬直ぐには理解できなくて、目を見開いて驚いていると
「いやぁぁぁぁん!」
ホズミは片手で口元を押さえると、フロアに横座りで崩れ落ちていく。
そんなホズミを見下ろしながら、ジュリは言葉を続けた。
「『八月一日』って書いて『ホズミ』って読むんだって~。ちょっとやそっとじゃ簡単に読めないわよね~」
「そ、そっか……珍しいもんね」
「酷い……酷いわ~!」
ホズミは本当に泣いているかのように、タオルの端を噛んで嘆いている。
確かに簡単には読めない名前は、小さいころから色々苦労するだろう。
自分の名前は間違えられたことはなかったけど、クラスに何人かは何度も聞かれたり、先生に読み間違いされたりする子がいたのを思い出す。
ホズミの昔がどんなだったか、小さいころからお姉だったかは解らないけど、その微妙なトラウマは理解できる。
私はジュリから離れて、長い脚をマーメイドの尾のように投げ出しているホズミの前にしゃがんだ。
「えっと……珍しい名前だけど、変じゃないし。寧ろ字面とか姉さんぽくて良いと思うよ」
フォローのつもりで思ったことをそのまま言ったら、ホズミは潤んだ目でジッと私を見詰めてきた。
「私らしいって?」
うっ……突っ込まれた!!
「……何か季節的に、青々とした草木が真っ直ぐ空に向かって伸びているみたいだなって」
まさか「珍しくて、面白い」とまでは言えなくて咄嗟にイメージを作り上げたけど、我ながらちょっと臭かったかもしれない。
でも姉さんは、可愛らしく頬をポッと染めて
「あらチワワちゃんたら、素敵な例えをしてくれるわね」
まんざらでもなさそうに喜んでいる。
「ホズミの名前よ――――」
「え……名前?」
日付が名前?
一瞬直ぐには理解できなくて、目を見開いて驚いていると
「いやぁぁぁぁん!」
ホズミは片手で口元を押さえると、フロアに横座りで崩れ落ちていく。
そんなホズミを見下ろしながら、ジュリは言葉を続けた。
「『八月一日』って書いて『ホズミ』って読むんだって~。ちょっとやそっとじゃ簡単に読めないわよね~」
「そ、そっか……珍しいもんね」
「酷い……酷いわ~!」
ホズミは本当に泣いているかのように、タオルの端を噛んで嘆いている。
確かに簡単には読めない名前は、小さいころから色々苦労するだろう。
自分の名前は間違えられたことはなかったけど、クラスに何人かは何度も聞かれたり、先生に読み間違いされたりする子がいたのを思い出す。
ホズミの昔がどんなだったか、小さいころからお姉だったかは解らないけど、その微妙なトラウマは理解できる。
私はジュリから離れて、長い脚をマーメイドの尾のように投げ出しているホズミの前にしゃがんだ。
「えっと……珍しい名前だけど、変じゃないし。寧ろ字面とか姉さんぽくて良いと思うよ」
フォローのつもりで思ったことをそのまま言ったら、ホズミは潤んだ目でジッと私を見詰めてきた。
「私らしいって?」
うっ……突っ込まれた!!
「……何か季節的に、青々とした草木が真っ直ぐ空に向かって伸びているみたいだなって」
まさか「珍しくて、面白い」とまでは言えなくて咄嗟にイメージを作り上げたけど、我ながらちょっと臭かったかもしれない。
でも姉さんは、可愛らしく頬をポッと染めて
「あらチワワちゃんたら、素敵な例えをしてくれるわね」
まんざらでもなさそうに喜んでいる。

