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ラブカルチャースクール 3
第3章 Lesson チェリー
いけない!
意に反して身体が勝手に反応してしまう!!

何とか前後にも揺れないように、身体を硬直させて不自然に背を伸ばしていると

「はは! 緊張しなくて大丈夫だよ琴海。楽にしてていいから」

私の不審な気配を察したセイジが、いつもの優しい笑顔で笑いかけてくれた。

キュン……

大好き――――!!

特別なことを言われた訳じゃないけど、こんな私を気に掛けてくれるセイジの優しさに心が跳ねる。

セイジは綺麗な形の目を少し伏せながら、タブレットの文字を追っていく。

微かに揺れるストレートの前髪さえも、セイジの細胞だと思うと愛おしい。

このまま時間が止まってくれないかな――――。

抑え付けていた欲望が小さな芽を出すのは簡単で、そこから色んな妄想が広がりだそうとした

――――時!

「うん! 最初にしては良く書けているよ。ヤナセがオッケー出しただけあるね」

セイジの真面目な声に一気に妄想は空気が抜けた風船みたいに萎んでいく。

「あ、ありがとう……ございます」

二人きりでも講師として毅然としているセイジにつられるように、返事が敬語になる。

そうようね……まだ『掟』が改正されたわけじゃないもの。

ヤナセがスクールの革命を起こそうとしているのをよく思っていない人たちもいそうだし、何が不穏分子になるか分からない。

例え今みたいに周りに誰も居なくてもセイジに甘えちゃいけないし、取分け『好き』な気持ちを少しでも出すことは、もとより許されることじゃないんだ。

そう思った途端、さっきまで胸の奥をくすぐっていたものは指で抓ったような痛みに変わりだした。


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