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ラブカルチャースクール 3
第10章 I Lesson 2回目
感慨深くしみじみとしていると、アラタの顔から急に陰りが消え、挑戦的な表情に変わった。

「それで俺考えたんです。アスリートとして新たな高みを目指してみようって!」

ドヤ顔を決めてくる気迫で、アラタは堂々と言い切るが――――

「アラタな……高み?」

駄洒落かな?

思わずボケてしまいそうになる。

「なるほど……アラタさんの志、良く解りました」

「そうですか! ありがとうございます」

チャレンジ精神が旺盛なのは、凄く伝わってきた。

これが講師としてどう活かされるかは、これからの見所になるのかもしれないけど、何か少し引っかかる感じがするのは私の思い過ごしかな?

取り敢えず話が持ち上がったのは良いとして、少々熱い語らいになってしまったせいか、これからエッチする雰囲気がイマイチしない。

先ずは気分を変えてみようと試みる。

「アラタさん、お話も聞けて良かったです! そろそろレッスン始めますか?」

生徒の時だったら、男性講師からいつも切り出して貰っていた言葉を今は自分が言っているのも不思議なものだった。

「はい。じゃぁ俺着替えてきますので、少し待っていて下さいね」

「はい」

軽快な足取りと爽やかな笑顔で、アラタは更衣室に入っていく。

パッタンと閉まったドアを見やり、待たされるとしても二分くらいだろうとぼんやりと思いながら脚を軽く伸ばした。

「う~ん……」

いけないと思いながらも頭の片隅で、歴代担当講師と新人講師の比較をしてしまう。

アラタの良さは感じるけど、講師としてはまだまだ粗削りな部分がある。

こればかりはラブカルでの経験値なのかもしれない。

逆に私が女性講師として、今出来ることは何だろう?

それがまだ自分の中でも漠然としていて、ハッキリと輪郭が見えないでいた――――。

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