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ラブカルチャースクール 3
第3章 Lesson チェリー
「……琴海は元々お茶が好きだよね」

「はい」

「そういうお茶自体に興味がある生徒さんには、豆知識的に話してもいいんじゃないかな? 話を盛り上げる切っ掛けにも出来ると思うし」

「はい。共通話題があると嬉しいですよね」

「うん、そうだね。でも、最初のスクールに通ってくる時って大抵かなり思い詰めている人が大半じゃないかな」

「あ……はい」

確かに私も元旦那との冷めきった夫婦関係を何とかしようと必死で、藁をもすがる思いでスクールに申し込んだっけ。

「そんな生徒に、琴海なら何の話をしてあげたい?」

「何の……話……」

今度は逆に私がセイジから質問される。

相手の男性との関係を改善したくて、思い立って『SEX』を学ぶスクールまで来てしまう人たち――――

きっと沢山、色んな思いを溜め込んでいるに違いない。

スクールに通う前まで毎日虚無感に襲われていた自分を思い出すと、頭の天辺から背中に掛けて重たいものがのしかかってくるような感覚がした。

説明を受けに来た日にレッスンのお試しを担当してくれたのがセイジで、優しく励ましてくれたから目標も見つけられて今ここに居られているのだと再認識する。

ふと、ヤナセの言葉が蘇ってきた。

何でもお見通しのヤナセが教えてくれたこと……

『善くよく』――――相手を見ていると、思っていることが分かってくるって教えてくれた。

だけどきっとまだ私には無理だろう……だから――――

「私は……最初は先ずしっかり生徒の話を聞きたい……何でもいいから話を沢山聞かせて欲しいと思います」

多分私も、それを旦那に望んでいたことだから。

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