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ラブカルチャースクール 3
第10章 I Lesson 2回目

ヤナセの陰に隠れてローブを羽織ろうと袖に腕を通しながら、トボトボと部屋を出て行くアラタの背中を見送る。
アラタに付き添っている艶っぽい年配の講師は、話の状況から男性講師の指導講師だと推測した。
さっきヤナセに『カミジョウ』と呼ばれていた講師は、部屋を出て行く際にこちらを軽く振り向く。
「じゃぁヤナセ、また後で」
「はい、カミジョウさん……ありがとうございました」
ヤナセは綺麗な一礼で、その講師に頭を下げる。
『カミジョウさん』――――今ヤナセは、そう言ったよね?
ヤナセが『さん』付けで講師の名前を言っているのは、初めて聞いた気がする。
もしかしてかなりの大御所の講師だったり!?
カミジョウはヤナセと私に柔らかく微笑むと軽く手を上げて、部屋を出て行った。
パッタン――――
ドアが閉まりさっきまでの騒々しかったレッスンが嘘のように、部屋が静かになる。
ヤナセと二人っきりになるなんて、今までだって数えきれないくらいあったシチュエーションなのに、やたら緊張してしまう。
あとでヤナセがアラタに事情聴取をする予定だけど、私からだって詳しく聞く筈だ。
射精までの経緯を詳しく言うべきか……
それとも曖昧に伝えた方が――直ぐにバレるな、うん。
取り敢えず今は、この気まずい空気をどうにかしたい。
非常ボタンにそれこそたまたま、手がぶつかってしまったことが分かったけど、ヤナセに迷惑を掛けてしまったことには変わりない。
「あの……」
恐る恐る声を掛けようとしたら――
「琴海さん……」
低~い声で呼び掛けてきたヤナセに、五体が凍りそうになった。
アラタに付き添っている艶っぽい年配の講師は、話の状況から男性講師の指導講師だと推測した。
さっきヤナセに『カミジョウ』と呼ばれていた講師は、部屋を出て行く際にこちらを軽く振り向く。
「じゃぁヤナセ、また後で」
「はい、カミジョウさん……ありがとうございました」
ヤナセは綺麗な一礼で、その講師に頭を下げる。
『カミジョウさん』――――今ヤナセは、そう言ったよね?
ヤナセが『さん』付けで講師の名前を言っているのは、初めて聞いた気がする。
もしかしてかなりの大御所の講師だったり!?
カミジョウはヤナセと私に柔らかく微笑むと軽く手を上げて、部屋を出て行った。
パッタン――――
ドアが閉まりさっきまでの騒々しかったレッスンが嘘のように、部屋が静かになる。
ヤナセと二人っきりになるなんて、今までだって数えきれないくらいあったシチュエーションなのに、やたら緊張してしまう。
あとでヤナセがアラタに事情聴取をする予定だけど、私からだって詳しく聞く筈だ。
射精までの経緯を詳しく言うべきか……
それとも曖昧に伝えた方が――直ぐにバレるな、うん。
取り敢えず今は、この気まずい空気をどうにかしたい。
非常ボタンにそれこそたまたま、手がぶつかってしまったことが分かったけど、ヤナセに迷惑を掛けてしまったことには変わりない。
「あの……」
恐る恐る声を掛けようとしたら――
「琴海さん……」
低~い声で呼び掛けてきたヤナセに、五体が凍りそうになった。

