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ラブカルチャースクール 3
第3章 Lesson チェリー
でも一番は――――セイジの気持ちが分からない。

講師を目指そうと旦那との離婚を覚悟して挑んだハードな『マスターコース』に入学したと同時に、セイジは姉妹校へ自ら転勤を願い出ていた。

卒業レッスンの担当はセイジだったけど、レッスンが終わった途端セイジは顔を合わせることなく姉妹校へ帰って行ってしまった。

誕生日プレゼントでくれたネックレスのチャームに一言残して――――。

私は不安で寂しくて、ヤナセの目も気にせずにセイジを必死に走って追い掛けて行ったりもした。

今日やっと再び会えたけど、セイジはさっきまで講師の顔をしていたのに、何で急にキスなんかするの?

唇を噛んで黙っている私に、セイジは眉を寄せて少し困った顔をしながら謝ってくる。

「ごめんね。ちょっと意地悪だったよね」

「いえ……気にしてないです」

色んな感情を堪えているせいかセイジに初めてつっけんどんな物言いまでしてしまって、もっと悲しくなってしまう。

ううん、違うのセイジ……飴のことはどうでもいいの。

でも今口を開いたら、沢山「どうして?」って言ってしまいそうだよ。

溢れ出しそうな言葉を詰まらせていると、喉の奥がズキズキと痛み出す。

「教室に戻りますね」

もう、そう答えるだけで精一杯だ。

軽く会釈してセイジから離れようとすると――――

「琴海!」

叫ぶように名前を呼ばれ、長い腕が私の身体を絡め取った。

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