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ラブカルチャースクール 3
第3章 Lesson チェリー
ドッ――クンッ!!

胸の真ん中が大きく打ち震える。

背中が太い縄で締め付けられたみたいに力強く腕が巻き付き、広くて温かい胸の中に息苦しくなるくらい顔が埋め込まれた。

「セイ……ジ?」

ちょっと感情的にも思えるセイジの行動に動揺しながら声を掛けたけど、セイジは黙って抱き締める腕に力を入れてくる。

どうしたんだろ……さっきまで悪戯っ子みたいに笑っていたのに、急に甘えん坊みたいに抱き締めてきて、ますますセイジの考えていることが分からない。

でも――――

セイジの胸の中は、やっぱり安心する……。

「セイジ……私戻らないといけなので」

「……」

「セイジ? 大丈夫ですか?」

返事をしないセイジに本当に具合が悪くなったんじゃないかと心配になってきて、背中をおずおずと摩ってみたりした。

「気持ち悪いですか?」

「ううん……気持ちいいよ」

どうやら、体調は大丈夫みたいだ。

ホッとして、背中を撫でて話しかけ続ける。

「気持ちいい?」

「うん……琴海を抱き締めているから……気持ちがいいよ」

キュン!

急な不意打ちに、胸の奥までギュッと抱き締められている気持ちになってしまう。

「そ、そう? なら良かったです」

セイジの言葉に内心、嬉しく思ってしまう私は現金だな……。

胸に頬を寄せると、トックントックン――てセイジの鼓動が聞こえてきて幸せに思える。

もういい加減戻らなきゃいけないのに、久々のセイジの温もりをまだ感じていたかった。

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